商標を愉しむ 或る弁理士の銘肌鏤骨ブログ

商標ブログ、こっそり始めました。商標弁理士の永露祥生によるブログです。

【商標登録】「雪」に関する商品・サービスと分類

昨日(2024年2月5日)は、関東地方で大雪となりました。
私のいる横浜市でも、かなりの雪が積もりました。
2年前くらいにも雪が降った記憶がありますが、ここまではなかった気がします。

 

さて、昨日、そんな「雪」を眺めながら帰路につく途中で、ふと思いました。
「雪」に関する商品・サービスの分類って、どうなってるのだろう?』と(笑)。

 

私は15年以上、商標弁理士をやっていますが、考えてみれば商標調査や商標登録などの場面で、今までこれらに一度もかかわったことがない気がします。というか、かかわったことのある弁理士の方が断然少ないのではないでしょうか。

 

というわけで、今回の記事では、J-PlatPatの「商品・役務名検索」を利用して、「雪」に関する商品・サービスや、それらの分類について見てみましょう

 

・「商品・役務名検索」を使って検索

さて、本ブログの記事では「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」の「商標検索」がよく登場しますが、実務上よく使うデータベースとして、他に「商品・役務名検索」というものもあります。

 

この「商品・役務名検索」では、たとえば「検索キーワード」に具体的な商品・サービスを入力して検索することで、その語を含む指定商品・指定役務の表記や、それらの区分類似群コード等を調べることができます。

 

今回は、「検索キーワード」に「雪」と入力して、検索してみましょう。

 

・「雪」に関する商品・サービスと分類あれこれ

「検索」ボタンをクリックすると、87件がヒットしました。
(※2024年2月6日現在)

 

数が若干多いので、今回はそれらの商品・サービスの一部を以下にご紹介します。

 

・第1類「融雪剤」(01A01)
・第1類「人工雪製造用化学剤」(01A01)
・第6類「金属製防雪柵」(07A01)
・第7類「除雪機」(09A03 09G99)
・第7類「除雪機用ゴムクローラ」(09A03 09G99)
・第8類「雪かき」(13B01)
・第8類「雪かき用具」(13B01)
・第11類「道融雪装置」(09E11 09G99)
・第11類「道路融雪装置」(09E11 09G99)
・第11類「人工造雪装置」(09G99)
・第12類「雪上車」(12A05)
・第12類「除雪自動車」(12A05)
・第12類「鉄道用除雪車」(12A04)
・第19類「プラスチック製防雪柵」(07A03)
・第28類「円盤型雪そり」(24C01)
・第28類「クリスマスツリー用人工雪」(24A01)
・第37類「除雪機の修理又は保守」(37D99)
・第37類「除雪」(37Z99)
・第37類「人工雪の降雪」(37Z99)
・第39類「除雪車の貸与」(39L02)

 

ざっくりと、このような感じでしょうか。
いずれも、見事に馴染みがありません(笑)。

 

第37類の「除雪」や「人工雪の降雪」に付いている「37Z99」という類似群コードなんて、もしかすると初めて見たかもしれません…。ちなみに、他には第37類「タイヤの再生」に、類似群コード「37Z99」が付いているようです。

 

・ふと感じた疑問

ところで、ふと思ったのですが、上記の一覧には「雪」そのものがありません。

 

「水」や「氷」も商品になるのですから、雪だって商品になり得るのではないでしょうか。
冷凍保存パックなどに詰めて、商品として販売することは可能だと思います。
実際、インターネットで検索してみると、本物の雪の通販などが行われているように見受けられます。

 

そこで疑問に感じたのが、「雪」が商品となった場合の分類です。
いったいどの区分に分類されて、どのような類似群となるのでしょうか。

 

近い商品としては、第30類の「氷」(29D01)が考えられそうですが、第30類は基本的に「食用」の商品が分類されるはずです。特許庁の「商品及び役務の区分解説〔国際分類第11-2022版対応〕」にも、以下のような記載があります。

 

「氷」(29D01)
 この商品は、食用の「氷」が該当します
 なお、「ドライアイス」や「氷菓」「かき氷」は、この商品には含まれず、前者は第1類「化学品」に属し、後者は本類「菓子」に属します。

※傍線は筆者による。
※「商品及び役務の区分解説〔国際分類第11-2022版対応〕」(P145)

 

これによれば「この商品は、食用の「氷」が該当します。」とあるところ、「雪」は食用ではないのが普通な気がします(食べる人もいるのかもしれませんが…)。
ただ、「天然又は人工の氷」や「飲食物冷却用氷」もここに分類されているので、必ずしもそれ自体が食用でなくてもOKなのかなという気がしなくもありません。う~ん、でもちょっと違う気もします。

 

諸外国の取扱いはどうなっているのだろうかと、他国の「商品・役務名検索」と同様のデータベースをいくつか調べてみましたが、「snow」のみの商品のヒットはありませんでした。

 

う~ん、結局よくわかりませんね。気になります。
特許庁の分類室に興味本位で聞いたら、さすがに怒られますかね?(笑)。

 

というわけで、最後は少しモヤモヤとしましたが、今回は「商品・役務名検索」を利用して、「雪」に関する商品・サービスや、それらの分類について見てみました。

 

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