私たちが、安心な毎日を過ごしていくために欠かせないものの一つとして、「医療」があります。
その中でも、近所の「クリニック」によくお世話になっているという方は多いのではないでしょうか。特に高齢者の方々にとっては、近所にクリニックがあるというだけで大変心強いことかと思います。
さて、このクリニック。
近年は、差別化のためか、ユニークな名称のものが増えた気がしませんか?
私が子供の頃は、「山田医院」とか「佐藤診療所」みたいな、ごくシンプルな名称が多かった記憶がありますが、今は造語的な「〇〇〇クリニック」という名称の医療機関をあちこちで目にする気がします。
こういった造語的なクリニック名になると、商標登録の重要性も高くなってきます。実際に、クリニック名に関する商標登録出願の件数は、年々増加しているようです。
では、いったいどのようなクリニック名が商標登録や商標登録出願されているのか、知りたいと思いませんか。特に、様々な造語的なクリニック名をリスト的に見ることができたら興味深いですし、楽しいと思いませんか。
実は、これもまた「J-PlatPat」を利用すれば、ざっくりとした検索で、クリニック名の商標リストを眺めて愉しむことが可能です。やり方は簡単ですので、今回もぜひ一緒にやってみましょう。
1.例によって、「J-PlatPat」にアクセスします。
※「新しいタブで開く」などで開いてください。
2.「商標(マーク)」の検索項目の真ん中の段に、「称呼(単純文字検索)」の項目があることを確認します。
3.その右隣にある「キーワード」の入力フォームに「?クリニック」と入力します。
4.このまま一番下にある「検索」ボタンを押しても良いのですが、この条件では、「医療とは関係のない分野の商標」もヒットしてしまいますので、条件を限定します。
今回は、中段にある「商品・役務」の入力フォームに、検索項目が「類似群コード」となっていることを確認して、「42V02」と入力します。
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ここまでの入力状況です。
5.最後に、一番下の「検索」ボタンを押します。
すると、検索結果に約1,550件の商標が表示されます(※2023年5月16日現在)。
検索結果のリストを眺めると、様々なクリニック名の商標を見て愉しむことができます。
ちなみに、「42V02」というのは、「医業」に関する役務(サービス)が分類されているコード(類似群コード)となります。この条件を付けることで、医療機関に関連した商標が主にヒットするようにしたわけです。
ずらーーーっと見ていくと、本当にいろいろなクリニック名の商標があって楽しいですよね。テレビCMでよく見かける、あの名称もありますね。中には、失礼ながら「なんじゃそりゃ!(笑)」とツッコミを入れたくなるような名称もあります。
なお、今回は検索の容易さを考慮して、上記のような検索方法としましたが、ここで表示されたものが「商標登録や商標登録出願がされている全てのクリニック名」というわけではありませんので、くれぐれもご注意ください。(この検索方法では、「〇〇〇クリニック」とか「〇〇〇 CLINIC」といった名称しか出てきません。)
しかし、このざっくりした検索方法だけでも、約1,550件もの名称がヒットしている点には、留意が必要でしょう。
医師の先生が独立などして、自分のクリニックを開院する際には当然にクリニック名を決める必要がありますが、これらの名称とカブらないようにしなければなりません。もしカブってしまったら、知らず知らずの間に「商標権侵害」となってしまうリスクがあります。
ですので、やはりクリニック名を決める際には、事前の「商標調査」の実施が重要だと言えるでしょう。アウトな名称はもちろんのこと、グレーになりそうな名称も、付けないにこしたことはありません。そして、できればご自身のクリニック名も商標登録しておくと将来的に安心です。
新規開院でクリニック名を付ける際には、ぜひ慎重になさってください。
「商標調査」については、弁理士や特許事務所にまずはご相談ください。
なお、当事務所のコンテンツにも、「クリニック名を決める前の商標調査と注意点」、「新規開院の季節、そのクリニック名は大丈夫ですか?」、「お医者さんのための商標登録」などのコンテンツがありますので、もしよろしければご参照くださいませ。
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