商標を愉しむ 或る弁理士の銘肌鏤骨ブログ

商標ブログ、こっそり始めました。商標弁理士の永露祥生によるブログです。

キャラクター商標を検索して愉しむ

我々日本人には、キャラクター(マスコットキャラクター)を特に好む国民性があるように思います。メディアでは、「ご当地キャラクター」が話題になることも多いですよね。

 

このようなマスコットキャラクターも、商品やサービスへの使い方次第では、立派な「商標」になり得ます。特に、企業キャラクターは、商標になりやすいと言えるでしょう。

 

そのため、企業キャラクターの名前やイラストが商標登録されることも、実際には少なくありません。

 

まぁ、イラストであれば「著作権」でも保護は可能なのですが、やはり商標登録をして強力な「商標権」も取得していた方が、いざという時に安心です。

 

さて、このような企業キャラクター、特にイラストを眺めるのってワクワクしませんか?

 

しかし、こういったキャラクターをまとめて目にする機会には、意外と接することが難しいのではないかと思います。

 

そこで、「それなら、商標登録されているキャラクター(以下、キャラクター商標)を、まとめて見られたら良いのに!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

実は、「J-PlatPat」のデータベースを使えば、多数のキャラクター商標を見て愉しむことが可能です。やり方は簡単ですので、ぜひ一緒にやってみましょう。

 

1.まず、「J-PlatPat」にアクセスします。
※「新しいタブで開く」などで開いてください。

 

2.「商標(マーク)」の検索項目のフォームが3つ(「商標(検索用)」、「称呼(単純文字列検索)」、「称呼(類似検索)」)ありますが、いずれかをクリックしてセレクトボックスを表示し、一番下にある「図形等分類」を選択します。

 

3.その右隣にある「キーワード」の入力フォームに「3.1.25.01」と入力します。

 

4.このまま一番下にある「検索」ボタンを押しても良いのですが、ヒットする件数が多すぎて表示できませんので、条件を少し追加します。
今回は、中段にある「商品・役務」の入力フォームに、検索項目が「類似群コード」となっていることを確認して、「30A01」と入力します。

 

J-PlatPat検索画面(入力状況)


ここまでの入力状況です。

 

5.最後に、一番下の「検索」ボタンを押します。

 

すると、検索結果に約950件の商標が表示されます(※2023年5月10日現在)。
検索結果のリストを眺めると、様々なキャラクター商標を見て愉しむことができます

 

ちなみに、入力した「3.1.25.01」というのは、擬人化した「ネコ科、イヌ科(たぬきを除く)、クマ科、パンダ科」の図形分類コードとなります。

 

また、「30A01」というのは、「菓子」や「パン」などの商品が分類されているコード(類似群コード)となります。

 

つまり、今回の検索で何をしたのかというと、
(1)日本で商標登録がされている商標のうち、
(2)擬人化した「ネコ科、イヌ科(たぬきを除く)、クマ科、パンダ科」の図形分類コードが付けられていて、
(3)「菓子」や「パン」などの商品分野で登録されているもの
をピックアップしたというわけです。

 

要は、「菓子」や「パン」の商品分野で商標登録されているネコやイヌなどのキャラクター商標を、条件を絞った検索によりピックアップしたというわけです。

※厳密に言うと、すでに商標登録がされているものだけではなく、出願中(審査待ち、審査中)のものも含まれます。また、今回の検索方法では、小売役務のみを指定する商標登録が検索結果に含まれている可能性があります。予めご了承ください。

 

今回は、おそらく世の中にはネコやイヌなどが好きな方が多いだろうということで、上述の図形分類コードを使いましたが、他にもいろいろあります。たとえば、擬人化した「ウサギ、リス、ネズミ等」なら「3.5.25.01」を入力します。擬人化した「鳥類」なら、「3.7.25.01」を入力します。

 

ちなみに、特許庁は、この図形分類コードを多少広く付けていることが多いです。たとえば、擬人化されたネコとウサギの分類コードが同時に付けられている場合もあります。一見して、何の動物を擬人化したのか判断がビミョーな場合は、このように複数の分類コードが付けられることが多いでしょう。もし、私のアイコンのキャラクターイラストを商標登録出願したら、何の動物がモチーフなのか理解不能ですので(苦笑)、確実に複数(しかも多数)の図形分類コードが付けられると思われます。

 

なので、たとえば、「3.1.25.01」と「3.5.25.01」のどちらで検索しても、ヒットするキャラクター商標も多分あると思います。この点は、データベースの仕様上しかたがありませんね。

 

商品やサービスの分類コードを変えて検索してみるのも、面白いでしょう。
ご自身の業界の商品・サービスの分野でのキャラクター商標をぜひ調べてみてください。

 

というわけで、今回は、キャラクター商標を検索して愉しむ方法をご紹介いたしました。

 

ぜひ、ご自身でいろいろ条件を変えてみて、検索を愉しんでみてください。
キャラクター商標を眺めて愉しみながら、J-PlatPatの検索スキルも磨くことができるので一石二鳥ですよ(笑)。

 

なお、当事務所のコンテンツにも、「企業キャラクターの商標登録」や「キャラクターの商標登録と保護のポイント」といったコンテンツがありますので、もしよろしければご参照くださいませ。

 

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