商標を愉しむ 或る弁理士の銘肌鏤骨ブログ

商標ブログ、こっそり始めました。商標弁理士の永露祥生によるブログです。

「〇〇メガネ」の商標登録を検索して愉しむ

最近、「〇〇メガネ」といったニックネームが、巷で流行(?)しているようです。

 

そういえば、私が小さい頃(昭和後期)、「メガネ」とか「メガネくん」といったニックネームはわりとメジャーだったように思います。今考えてみれば、かなり失礼なニックネームですよね。その後、大人になってからはめっきり聞かなくなりましたが、すでに死語のようになってしまったのでしょうか。

 

最近、ネット上のニュース記事で某「〇〇メガネ」のネーミングを目にした時、失礼ながら、何だかとても懐かしい気分になりました(笑)。

 

さて、「〇〇メガネ」というネーミングは、必ずしもニックネームに限られないでしょう。眼鏡を取り扱う企業・店舗によって、商品名や店舗名などの「商標」として用いられることも考えられます

 

ということは、このような「〇〇メガネ」というネーミングも、商標登録がされていることが予想されます。それでは、いったいどのようなネーミングの商標が実際に登録されているのでしょうか。

 

というわけで、今回はこのような「〇〇メガネ」商標の商標登録を検索して、どのような商標がどれくらいの件数があるのかなどを、ざっくりと調べてみたいと思います。

 

・「〇〇メガネ」の商標登録の検索方法

さて、このブログではすでに何度も書いていますが、今回は久しぶりな気がしますので、あらためて検索方法を確認していきましょう。

 

まず、インターネット上の無料データベース「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」にアクセスして、「商標検索」のページを開きます。

 

今回は、「眼鏡」などの商品を指定して商標登録をしている「〇〇メガネ」の商標を検索してみます。(「〇〇めがね」や「〇〇眼鏡」の表記の商標はあえてスルーします。)

 

ページを開いたら、検索項目「商標(検索用)」の「キーワード」の入力フォームに、「?メガネ」と入力してみましょう。入力ができたら、2つ目のカラムにある検索項目「類似群コード」の「キーワード」の入力フォームに、「23B01」と入力します。

 

ちなみに、この「23B01」というのが、わが国の商標実務上、眼鏡、サングラス、コンタクトレンズなどの商品が分類されているグループコード(類似群)になります。

 

入力ができたら、一番下にある「検索」ボタンをクリックします。

 

・「〇〇メガネ」の商標登録の件数はどれくらい?

「検索」ボタンをクリックすると、検索条件を満たす商標がリストアップされます。

 

90件ヒット!!
(※2023年10月20日現在)

 

う~ん、思っていたよりかなり少ないかもしれません。

 

このうち5件が、現在審査中の状態になっていますので、商標登録が完了しているものの件数としては、85件ということになりそうです。

 

ちなみに、商品分野を絞らずに検索すると114件がヒットします。
それでも、やっぱり少ない印象ですね。

 

また、「〇〇メガネ」と読める商標(「〇〇メガネ」だけでなく、「〇〇めがね」や「〇〇眼鏡」と表記するもの等を含みます)を、「眼鏡」の商品分野に絞って検索すると187件がヒットします。これをさらに商品分野を絞らずに検索すると、269件がヒットしました。

 

※今回の検索方法では、「メガネ〇〇」や「〇〇メガネ△△」といった商標はヒットしませんので、検索結果についてはご注意ください。また、あくまでざっくりとした検索方法となりますので、ヒットしたデータにはノイズが含まれている可能性もあります。

※今回の検索方法では、小売役務のみを指定する商標登録が検索結果に含まれている可能性があります。予めご了承ください。

 

・気になる「〇〇メガネ」商標は?

わずか90件程度のヒットしかないので、今回はリストアップされた商標を全部見てみたいと思います(笑)。さてさて、気になる「〇〇メガネ」商標はあるでしょうか。

 

まず、「楽々メガネ」(登録4958495号)が目に付きました。
一見すると、「識別力は大丈夫だったのかな?」という印象がありますが、特許庁の審査では特に指摘されなかったようですね。

 

次に、「受験メガネ」(登録5680762号)というのもありました。
これは、受験勉強用などに特化した眼鏡の商標なのでしょうか。

 

雰囲気メガネ」(登録5727917号)というのもありました。
「雰囲気イケメン」なんて言葉がありますが、いったいどんな商品の商標なのか気になります。ググってみたところ、どうやら「メガネ型情報端末」の商標のようです。なるほど!

 

変なメガネ」(登録6273387号)というのもありますね。
これも特許庁の審査では識別力について指摘されそうな印象がありますが、実際には特に何も指摘されなかったようです。ちなみに、ググってみたところ、「カッコよく、ユーモラスで気の利いた老眼鏡」のブランド商標のようです。

 

みえないメガネ」(登録6427820号)というのもありました。
「見えなきゃダメじゃん!」とツッコミを入れたくなるネーミングですが、これもググってみたところ、どうやら商標権者の「よく見えないけれど、カラダによいメガネを提供する」という企業理念に由来している商標のようです。

 

他にもありますが、長くなるのでこのへんにしておきましょう(笑)。

 

さて、皆様が気になる「〇〇メガネ」の商標はあったでしょうか?
ぜひご自身でも、いろいろな条件で検索して愉しんでみてください!

 

なお、当事務所のウェブサイトでは、「アイウェア(眼鏡・サングラス等)と商標登録の話」のコラムを掲載しておりますので、もしよろしければご覧ください。

 

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