いつ頃だったか忘れましたが、岸田首相が「異次元の少子化対策」という言葉を使いだしてから、「異次元」という語をよく見聞きするようになった気がします。
「異次元」とは、本来はシンプルに「別の次元」という意味なのでしょうが、実際には「別次元と言えるくらいすごい」という意味合いを暗示させるものになっていると考えられます。「異次元の少子化対策」の「異次元」も、このような意味合いを意図しているのでしょう。
「別次元と言えるくらいすごい」という意味合いを暗示する語であれば、これを商品やサービスに使った場合には、需要者にプラスの印象を与えることができる気がします。
ということは、この「異次元」の語を使った「商標」についての商標登録も、それなりの数があるのではないかと、ふと思いました。
というわけで、今回は「異次元」の語を含む登録商標を調べてみましょう。
調べ方は、いつものとおりです(笑)。
特許庁のデータベース「J-PlatPat」にアクセスして、検索項目「商標(検索用)」のキーワードに「?異次元?」と入力します。入力ができたら、一番下の「検索」ボタンをクリックします。
すると、検索結果には19件がヒットしました(2023年6月8日現在)。
たとえば、以下のような登録商標がありました。
・「異次元の密着感」(登録5556142号)
・「異次元の\通気性。」(登録5853783号)
・「立体異次元マスク」(登録6083417号)
・「異次元健康カレー」(登録6474392号)
・「異次元の肌体験」(登録6587112号)
・「異次元トリートメント」(登録6590296号)
・「異次元枕」(登録6609279号)
・「異次元の\抹茶ラテ」(登録6675097号)
正直、予想していたよりかなり少なかったので驚きました。
出願日を見てみると、昨年2022年のものが多いですね。
しかし、いずれの商標も、「なんかすごそう!」というイメージを受けるのは私だけでしょうか。カレーや抹茶ラテ、どんなものなのか気になりますね。
個人的には、これから「異次元」が流行語のようになって、この語を含む商標は増えてくるのではないかと推測しているのですが、はたしてどうなるのでしょうか。
まぁ、若干「強い言葉」感があるのも否めないことから、意外と事業者からは好まれない可能性もあるかもしれません。また、よく聞く「異次元の少子化対策」という言葉が、人々に与える印象にも左右されるような気もします。
半年とか1年後くらいに、どのような変化が見られるか、また検索してみたいと思います。
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