商標を愉しむ 或る弁理士の銘肌鏤骨ブログ

商標ブログ、こっそり始めました。商標弁理士の永露祥生によるブログです。

都道府県による商標登録を検索して愉しむ

商標登録というと、その名義人は会社か個人というイメージがあるかもしれません。

 

しかし、東京都、大阪府、北海道、神奈川県などの都道府県が、商標登録の名義人、つまり商標権の権利者となっている場合があります

 

自分の住む都道府県や、自分の故郷が、どのような商標を商標登録しているのか気になりますよね。

 

というわけで、今回は都道府県による商標登録を検索して愉しむ方法をご紹介いたします。

 

都道府県による商標登録の検索方法

調べ方は、とても簡単です。

 

まずは例によって、特許庁のデータベース「J-PlatPat」にアクセスします。
※「新しいタブで開く」などで開いてください。

入力フォームの3段目にある「その他の検索キーワード」のところまで、画面を下にスクロールします。左側にある検索項目が「出願人/権利者/名義人」となっていることを確認しましょう。

 

確認ができたら、「キーワード」の入力フォームに、具体的な都道府県の名称を入力します。
今回は、「東京都」を入力してみます。

 

「J-PlatPat」の検索画面1

 

入力が完了したら、画面下部にある「検索」ボタンをクリックしましょう。

 

「J-PlatPat」の検索画面2

 

291件がヒットしました!
※2023年6月22日現在

 

検索結果のリスト画面をスクロールして、東京都が具体的にどのような商標を商標登録しているのかを確認することができます。

 

なお、このうち10件が、現在は審査中または審査前となっているようですので、商標登録数としては281件あると言えそうですね。

 

さすが東京都、数が多い!!

 

東京ビッグサイト」や「ピーポくん」の商標登録の名義人が東京都なのは、意外だったかもしれません。以前の記事で言及した、「シン・トセイ」もちゃんと登録されていますね。

 

さて、我が神奈川県はどんな商標を商標登録しているのか・・・

 

「J-PlatPat」の検索画面3

 

「J-PlatPat」の検索画面4

37件がヒット!!
う~ん、微妙な数ですね。
さすがに東京都の件数と比べると、物足りない気持ちになってしまいます。

 

ちなみに、埼玉県は26件、千葉県は27件、大阪府は28件、北海道は25件、京都府は33件がヒットしたので、まぁ多い方なのかもしれません。

 

・市区町村が名義人のケースもある

都道府県に限らず、市区町村が商標登録の名義人の場合もあります。

 

同様の検索方法で検索できますので、地元の市区町村がどのような商標を商標登録しているのか、チェックしてみるのも面白いかもしれません。

 

たとえば、私の地元の「横浜市」が名義人の商標を検索してみましょう。

 

「J-PlatPat」の検索画面5

 

「J-PlatPat」の検索画面6

160件がヒット!!
多いです。やるな、横浜市(笑)

 

ちなみに、ご近所の「町田市」で検索してみると、18件がヒットしました。
渋谷区」は6件、「千代田区」は7件くらいなので、多い方なのでしょうか。

 

都道府県の名義で商標登録しているものと、市区町村の名義で商標登録をしているものの棲み分けがイマイチよくわかりませんね(苦笑)。

 

・商標登録の検索結果から見えてくるもの

都道府県や市区町村による商標登録を検索してみると、その検索結果から色々なことが見えてくるような気がします。

 

たとえば、「この県は商標の保護に力を入れているな」とか、「こういう商標を大事にしているのだな」など。逆にあまりに数が少ないと、「予算がないのかな」とか、「名産品などが少ないのかな」とか、「知財に対する理解が不十分なのかな」なんて思ったりもします。

 

どのような特許事務所や弁理士に依頼しているのかという点もわかるので、個人的には興味深いですね。中には専門家には依頼せずに、自力で出願している都道府県や市区町村もあるようです。拒絶理由通知を受けて、苦し紛れな意見書を提出している例も散見されます(なぜ、弁理士に依頼しないのか・・・)。

 

このような点からも、それぞれの都道府県や市区町村の性格というか、特徴が垣間見えるのが面白かったりします。

 

皆さんもぜひ、いろいろと検索して愉しんでみてください。

 

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